INDEX |
ふたりの休日〜明るいほうへ番外編〜 |
5 |
「駄目。ちゃんと見てなくちゃ」 「ぃやだ……あ、あ」 「じゃあ止めちゃうよ」 半分引いた辺りで遠藤くんがピタリと動きを止め、俺が目を開けるまで動かない。 「えん……ど……ぅく……」 「目、開けて」 「ぅ……ぁ」 快楽に抗い難くて、言われる通りにもう一度テレビに目をやる。 止まっていた遠藤くんがまた動き始める。突き上げるようにして入り込み、細かく震わせながら中を掻き回された。 「あぁあああっ」 敏感な場所を擦られて自ら腰を揺らして刺激をもらう。腰が更に高く上がり、もう写されているのも関係なくなり、夢中になって快感を貪る。 「あっ、あっ……」 片手で俺の腰を掴んでいた指に力が籠もり、いっそう強く穿たれる。はあ、はぁ、という荒い息づかいが上から聞こえた。 「……イク、……イクよ……充」 切なげな声を上げて遠藤くんが駆け上がろうとしている。置いていかれまいと、俺も波に身を委ねた。 「……ぁ、あ……は……っ、ぁあ、ああ……っっ」 先に辿り着いたのは俺だった。大きく背中を反らし、揺れながら飛沫を撒き散らす。 「……くっ」 二度三度と突き上げ、深くまで押し込んだそこで遠藤くんが止まった。 「ぁ……ぁあ……」 溜息のような呻き声を漏らし、それが突然出ていく。 「はっ……あ……」 背中に温かい感触が掛かり、画面に映っている俺の背中が濡れていった。 ゴトリ、とビデオを置く気配がして、遠藤くんの身体が下りてきた。抱き込まれ、こめかみにキスを受ける。 「……ん」 四つん這いのまま首を回して唇にもキスをもらう。 「……あー、最高」 遠藤くんが満足げに呟いた。 「保存版だ」 「……ちょっと。すぐ消すって言ったよね?」 「えー、勿体ないですって」 「嫌だよ。消してっ!」 「じゃ、じゃあ、一週間。そしたら消すから」 「駄目」 「三日。お願い」 可愛くねだられてもこれだけは聞き入れられない。 「ねえ」 「約束だろ」 「……充、俺のシャワーシーンとか撮りたくない?」 「う……」 それはずるいよ遠藤くん。そんなの撮りたいに決まっているじゃないか。 「脱ぐところから。どう?」 「……ユニフォーム?」 にっこりと笑う遠藤くん。 「じゃあ……三日間だけ」 「充の好きなように撮っていいんだけどなあ。三日かあ」 「うぅ……」 頭の中でいろんなポーズをとる遠藤くんが回っている。 本当にこの人は、俺の弱みにつけ込んでくる。普段あんなに爽やかなのに、そのギャップに俺は翻弄されっぱなしだ。 「遠藤くんの卑怯者。スケベ」 非難を込めてそう言ったら「え? 俺ですか?」と心外だというような声を出したので、何を言っているんだ、当たり前だろうと抗議した。遠藤くんのお陰でこんなに恥ずかしいことになっているのに。 俺の抗議に遠藤くんが心底不服そうに「俺? 俺だけ?」って言っている。 そんなことより早く風呂場に行って、まずはシャワーシーンを撮影したい俺だった。 |
novellist |