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LOVE LOVE LOVE |
8(完) |
両手で腰を支え、下りてくる身体を誘導してやる。 「……ふ、ぁん」 入り口を過ぎ、一旦浮かせた身体を、また沈めてくる。 両腕を俺の首に巻き付け、少しずつ落ちていく。口元に寄ってきた耳を含み、舌を這わせながら、「好きだよ」と囁いた。 「ぼく、も……っぁ……ん、あ、あ」 答えようとした言葉が、途中から喘ぎに変わった。 うさちゃんが言葉を惜しまないから、俺も恥ずかしがらずにちゃんと言う。 普段物静かで、目立つことのないうさちゃんだけど、他の学生たちの誰よりも大人びていて、芯が強いことを俺は知っている。自分にとって大切ことや、好きなことがはっきりと分かっているうさちゃんは、とてもシンプルで格好良い。 そんなうさちゃんの大好きなものの中に、俺が入っているということが、嬉しくて、誇らしいと思う。 やがてゆっくりと埋まっていった身体がぴったりと重なった。全部を繋げて、俺の前で喘いでいる顔が、嬉しげに綻び、唇から溜息を漏らした。 「あ……、あ……」 俺の首に掴まったうさちゃんが、ゆっくりと揺れはじめた。腰を支えた腕で動きを助け、沈んでくるのに合わせて、俺も下から突き上げる。 「っ、ぁん」 「……強い?」 ふるふると首を振り、「今の……いい」と、うさちゃんが言った。うさちゃんの好きな場所をもうひとつ見つけて嬉しくなる。 「タ、オル……タッ……ぁんっ、や、ぁあ」 身体を揺らし、俺に突き上げられて、タオルを置き去りにしていたうさちゃんが、喘ぎながら困っているから、タオルを口に当てる代わりに、俺のキスで塞いでやった。 「ん、ん……ふぁ、ん……はぁ……ん、ふ」 一生懸命俺の口に吸い付いて、声を殺そうとしているのが、たまらなく可愛くて、好きなだけ与えながら、ゆっくりと揺らし続けた。 俺の上に乗ったうさちゃんがいやらしく腰を回し、やがてその動きが大きくなっていく。 は、ぁ、はぁと息が上がり、眉根を寄せた顔が上を向く。そんな様子を眺めながら、俺も頂上に向けて駆け上がり始める。 「も、ぅ……イッ……ク、たつろ、く……ん、んぁ」 「うん……俺も」 我慢し続けた欲望が弾けそうな感覚に、俺の声も上ずり、そんな俺の顔を覗いたうさちゃんは、やさしくて、いやらしくて、可愛らしい顔をして、笑った。 キスを繰り返しながら揺れ続ける。 「……あぁっ、ん、はぁ、ぁあ、ああ」 俺の唇から逃れたうさちゃんが上を向き、とうとう大きな声が上がった。お隣は留守だし、今は昼間だからと、俺も朦朧とした頭で今日は大丈夫と勝手に決めつけ、まるでもっと出せと煽るようにして、激しく揺さぶった。 ガクガクと揺れていた身体が一瞬硬直し、俺の腹に温かいものが流れてくる。 「ぁあ、うぅん、はぁ……、ぁん」 余韻を残すような声を出し、うさちゃんが果てた。それを見届け、俺も一気に駆け上がる。 「う……ああ、っ……ん、く……」 腰に指が食い込むほど力を入れ、一瞬前のうさちゃんのように、俺も止まる。 「は、ああ」 溜息を吐く俺を、うさちゃんが抱き込んできた。その白い胸に凭れ、放埒の余韻に浸る。 しばらくふたりして抱き合ったままでいた。 「……あ」 「なに?」 腕の中で突然声を出した俺に、うさちゃんが聞いてきた。 「言うの忘れてた」 ん? と首を傾げ、俺を覗いてくる顔に笑いかけた。 「今更だけど」 「うん」 「あけましておめでとう」 俺がそう言ったら、うさちゃんは、ああ、と笑って俺と同じ言葉を発した。 笑い合って、抱き合って、「今年もよろしく」の声は、柔らかく合わさったふたりの口の中で交わされた。 |
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