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雨が止むまで〜意地っ張りの恋〜 24 |
シャワーに打たれながら、立ったまま全裸で、お互いの体を撫で合う。密着している克也の欲望が、智の肌の上で芯を持ち始めたのを感じていた。首に回していた手を降ろし、それを包むと、克也が、ぴくりと動いた。 包んだものを柔らかく撫でながら唇を滑らせ、さっき克也がしてくれたように首筋を撫でる。逞しい胸を摩り、そうしながらゆっくりと下りていった。 「智……」 智の意図を感じ取り、克也がまた引き上げようと腕を掴んできた。 「かっちゃん、したいんだ。させてよ」 義務でもお返しでもなく、そうしたかった。 「したい……舐めたい。かっちゃんの……」 跪き、目の前にあるそれにキスをする。克也はもういいとは言わず、そっと頭を撫でられた。小さく差し出した舌でペロ、と舐め上げる。 「……っ」 床を打つ水音に混じり、克也の小さく呻くような声が聞こえた。チロチロと舌をひらめかせながら先端を撫でると、ヒクン、と跳ねて上を向いてくる。 「……おっきくなってきた」 片手で柔らかく包み、ゆっくりと上下させながら、ちゅ、ちゅ、と音を立ててキスを繰り返した。 克也の中心が凶暴な形に育っていく。心持ち強く握り扱きながら、唇と舌先で可愛がると、は、ぁ、と溜息が漏れ、智の頭を掴んでいた手に力が入り、上を向かされた。目を眇めた克也が見つめてくる。その顔が気持ちよさそうなので、安心した。 そんな表情を眺め、頭を掴まれたまま、口を開け、舌を大きく差し出す。見つめ合ったまま、克也のペニスを舐め上げると、頭を引き上げていた腕が、今度は引き寄せるようにして克也の股間に押し付けられた。 腰に巻き付き、大きく口を開け、克也を飲み込んでいく。く、と喉を詰めたような音が聞こえ、そのあと長い溜息が漏れた。興奮しきったペニスは大きすぎて、全部を頬張るのは無理だと判断し、先端を含みながら手を動かしていた。 「……智」 名前を呼ばれ、答える代わりに懸命に奉仕を繰り返す。 「智」 もう一度名前を呼ばれ、しがみついていた両腕をゆっくりと、だが強い力で引き剥がされた。 「力、抜いてろ」 両方の腕を掴まれ、小さくバンザイをしたような形で固定され、口を開けと命令された。開けたままの唇に、ズ、と大きな男根が奥深く入ってきた。 「……ぅ……ご、ぁ……」 苦しさに大きく目を見開くが、克也は許してくれなかった。磔にされたような格好で、ゆっくりと腰を動かし始める。 「少し……我慢しろ」 喉奥まで押し入れられ、生理的な涙が滴り落ちる。 「あとで……ちゃんとしてやるから」 克也の声が、興奮で上ずっているのが分かった。苦しかったが、克也のそんな声が嬉しかった。克也の腰がいやらしく蠢いている。ふ、ふ、と息が漏れるのが聞こえ、ときどき「あぁ……」と呻く声がとても嬉しい。 道具のように扱われているのに、それが嬉しくて、そんな自分に興奮している。苦しさがだんだんと別のものへと変化し始め、体が熱を持つ。 「……ぅ……んんぅ」 「苦しいか?」 そう聞いてくるくせに、克也は動きを止めようとしない。荒い息を吐き、智に強いる行為を楽しんでいるようだ。 苦しい。だけど気持ちいい。そんな智の様子が分かるのか、克也は口端を引き上げ、尚も突き入れてきた。 「もう少しだ。智……我慢できるな?」 苦しさは我慢できる。だけどそれ以上にやってくる得体の知れない熱に溶けてしまいそうだ。 「あぁ……ん、んぅ……ぁ」 喉を突かれる度に声が漏れ、自分の腰も揺れ始めた。あけっぱなしの唇からは、だらしなく唾液が滴り、ダラダラとこぼれ落ちている。克也が動く度にグチュ、グチュ、という音と一緒にまた唾液が溢れてきた。 シャワーが床を叩き、その音に混じり、克也が息を吐く音が響いてくる。 力の抜けていた唇を窄め、きゅっと吸い付くようにしたら、克也の動きが一瞬止まり、長く甘い溜息が降りてきた。智の感触を楽しむように、克也が腰を引き、また押し入ってくる。 「……そのまま……で、いろ」 低く呻くような声で命令され、素直に従った。はあ、はあ、と荒い息を漏らし、時々「くっ」と、喉を詰め、克也が智に浸っている。 そうか。これが好きなのか。 克也が自分の体を使い、楽しんでいる。克也の官能が智にも伝わって、今まで味わったことのない興奮が体を包む。 やがて、手首を掴んでいた克也の力が強まり、早い動きで行き来したかと思うと、次にはぐっと奥まで突っ込まれ、そこで止まった。 「……あぁ」 天井から声が降ってきて、口の中一杯に克也の精が放たれた。喉奥に深く入れられて、飲み込むことのできないそれは唾液と一緒に口から溢れ出た。 智に突き刺したまま、克也がゆっくりと腰を回し、余韻を楽しんでいる。 脱力したまま床に跪いていた智の頭をやさしく撫でられ、克也が去って行った。いっぱいにされていたものが無くなり、空虚な感覚に寂しさを覚える。 「……あ……ぁ……」 濡れた手で口の周りを拭われ、ビクン、と体が跳ねる。克也がもう少し智の中にいてくれたなら、それだけで果てていたかもしれない。跪いている智の中心は興奮で上を向き、爆発寸前までに濡れていた。 「立てるか?」 腕を引っ張られたが、虚脱した体はいうことをきかなかった。智の顔の位置まで降りてきた克也が笑いながら頬を撫でてくれた。 「……ん、んぅふ……ぁ」 キスを受けても体が敏感に反応し、声が漏れる。 「……お前も気持ちよかったのか?」 「……も、だめ、ぇ……」 顎の下を擽られると、弱音が漏れた。 「ばーか、これからだろ」 智の声を聞いた克也が口の端を引き上げた。 「ゆっくり可愛がってやる。来い」 |
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