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さよならの前に君に伝えたかったこと |
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跨っていた足を移動させ、圭吾の体が俺の足の間に割って入ってくる。大きな体に押し上げられ、広げられた足が上を向く。腕を押さえつけ、胸を可愛がりながら、密着させた腹が下半身を擦り上げてくる。 「あ、あ、」 上下に揺れる腹に股間を刺激され、声を我慢することが出来なくなっていった。固く育ってしまった俺の股間が、圭吾の柔らかい腹に当たり、それを圭吾に知られていると思うと、堪らなく恥ずかしかった。 「……孝介」 名前を呼ばれて、返事をしようとした喉が震えた。はぁ、ぁ、と出た溜息も震えて、それが自分でも恥ずかしくなるほどの甘えたもので、呆れられやしないかと、ちょっと不安になった。 見上げると、圭吾は笑っていた。 「なんかお前、可愛いな」 「うるせ」 また顔を伏せた圭吾に、さっきからずっと可愛がられている乳首をカリっと噛まれて、「んっ」と声が上がった。 「ドキドキしてる。可愛いな」 本当うるせーよ。 「手……離せよ」 「やだね」 動こうとする腕を強く掴んで圭吾が返事をした。 「おまえ、襲わねえって言ったじゃん」 「襲ってない」 これは襲っているのと違うのか。そりゃ、俺も嫌だって言ってないけど、布団に入れって言ったのは俺だけど。 だって、人がドキドキしてんのに、キョドるなとか、襲わないとか言われて、ちょっとなんだよって思っちゃったんだもんよ。 「もう……無理だろ」 そう言って、俺の腕を押さえていた片方を引っ張られ、掌に圭吾がキスをする。それからその腕を今度はそっと引くと、圭吾の体中心に持っていった。 「な?」 掌に押し付けられたそれは、大きくて固くて、熱かった。 手首を掴まれたままゆるゆると動かすと、圭吾は眉を寄せ、息を吐いた。 一瞬閉じた瞳がうっすらと開いて、俺を見下ろす圭吾の顔は、情けないほど気持ちよさそうで、なんか可愛いと思った。 俺の手の動きに合わせて圭吾の体が揺れる。 「……ん」 小さく声を出し、押さえつけていた手の力が弛む。 「圭吾」 名前を呼んだら、圭吾の体が降りてきて、俺は圭吾に掴まれたままの腕を、その首に回した。 引き寄せて、自分からねだるようにして口を開ける。合わさってきた唇に、顔を傾けて吸い付き、舌を絡ませた。 俺から手を離した圭吾は、自由になった腕で抱き締めてくる。さっきキスをしたときは探るようだった舌の動きが、今度は力強く動き回り、二人とも大きく口を開けて、お互いを貪り合った。 一旦体を離し、圭吾がTシャツを脱いだ。 それからまた俺に「いいか?」って聞いてきた。 この期に及んでなんで聞くんだよと、イラッときた。 「いいっつってんだろ」 やけくそ気味に噛みついたら、圭吾は真剣な顔をして「本当にいいんだな」って念を押してきたから、いきなり不安になった。 「あのさ、圭吾」 「今度こそやめねえぞ」 「いや、やめてないじゃん。つか、ええと、それはどういう……」 圭吾がいいか? って聞いたのは、いったい何に対してそう聞いてきたのか、そして俺は何を許可したんだろう。 「なるべく痛くないようにするから」 「痛くないって……え?」 「俺が入れるほうでいいか? つかいいよな?」 また聞かれたが、今度の聞き方は念押しで、俺の返事を待つ様子はない。 「入れんの?」 「入れたい」 即答された。 「え、でも……」 何をどう入れたいのか、圭吾がどうしたいのかは分かった。いずれそうなるならきっとそういう位置関係というか、役割というか、それは覚悟しようというか、俺としてもやぶさかではないというか。でも、え? 今? ってかんじだ。 だってなんの準備もない。 驚いていると、圭吾が俺の上からどいて、部屋の隅に置いてあった自分の鞄を引き寄せた。ガサゴソといわせ、中から紙袋を出してくる。 「……おい」 袋からコンドームの箱となにやらチューブを取りだした圭吾に声を掛けた。 「お前、ずいぶん用意周到じゃねえか」 「男のたしなみだ」 チューブの蓋を開けながら、圭吾が爽やかに笑った。 |
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