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さよならの前に君に伝えたかったこと |
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クリームが足され、二本目の指が入り、ゆっくりと慣らされる。 入り口付近を広げながら抜き差しされ、奥へと入り込んだ指がぐるりと回され、出ていっては入ってくる。その度にクチャ、という音がして、それが圭吾の手に塗られたクリームの出す音なのか、それだけではないのか、よく分からなかった。 圭吾の体に割られるようにして広げられ、上がったままの自分の足が揺れているのが見える。圭吾の首に掴まったまま、それを眺めていた。 恥ずかしい気持ちは確かにあったけど、圭吾がときどきキスをしながら、俺の目を覗いてくるから、俺はその度にやせ我慢に近い笑みを浮かべ、圭吾の唇を受け止めた。 三本目はさすがにきつくて、必死に我慢している俺を見て「やめるか?」と気弱な声で聞いてきた。 またそうやって人に聞く。けど、やめろって言ったら圭吾は本当にやめそうで、俺は唇を噛んだまま首を横に振った。 「大丈夫そうか?」 圭吾の首に捕まり、コクコクと頷き体の力を抜こうと努力する。指を動かしながら、宥めるようにこめかみに唇をつけて、滲んだ涙を舐めとってくれた。 一旦離れた体が、準備を終えて、もう一度被さってきた。 「……んっ」 入ってくる感触に、強く唇を噛んで息を詰める。 「孝介。力を抜いてください」 急に丁寧語でお願いをされて、ぷは、って息が抜けたその瞬間、グイっと奥まで突き入れられた。 「あぁあっ」 人が気を抜いた間隙を狙って、まんまと全部を占領されている。 「……やった。全部入った」 「お……まえ、卑怯だぞ」 気弱に聞いてきたかと思えば、こんな卑怯な手を使う。涙目で睨んでやったら、圭吾はちょっと笑って、チュ、とキスを被せてきた。 「痛いよな」 「あたりめーだ」 「俺も……ちょっと痛い」 大きな体で俺を抱き締めて、しばらくじっとしていた圭吾は、中を擦らないように、そっと腰を揺らしてきた。 「ん、ん」 痛みよりも、中に存在する圭吾の圧迫感が凄くて、俺は圭吾の首にしがみついたまま、必死に恐怖に耐えた。 「孝介。……ちょっとだけ我慢して」 しがみついている俺の耳元で圭吾が囁いた。 「こっち、もう……無理っぽい」 俺の準備を整えるために、ずっと我慢してきた圭吾は、ここにきて限界がきたらしい。「……すぐだから」 そのセリフは男としてどうなんだと思ったけど、そう言って俺を見つめてくる目が、本当に情けないほど真剣で、愛しくて、俺は口元を弛め、小さくいいよ、と返事をした。 探るように動き始めた腰が、だんだんと力を増していく。体重を掛けないように俺の顔の横に手を付き、大きな体が足を割って入ってくる。小刻みに振るわせていた腰を、次第に激しく前後させながら、眉を寄せ、小さく開いた唇から、吐息と一緒に声が漏れていた。 揺らされながら、そんな顔を見ていて、こいつが俺の出す声を聞きたがった意味が分かった気がした。 「……けぃ……ご」 名前を呼んだら、圭吾が揺れながら見つめ返してくる。また、チュ、って軽くキスをしてくれた。 今度は体を起こし、足を持ち上げられて強く打ち付けられた。 「あ……、あ……」 圭吾が小さく鳴く。 天井を仰いで浸る表情は、すごく気持ちよさそうで、俺は満足した。 圭吾が俺に浸っている。 偉そうに説教を垂れたり、大人ぶってからかったり、気弱にお伺いを立ててきたりする圭吾は今、俺を抱いて、それがとても気持ちよさそうだ。 「あ、ぁあ、孝介……孝介……っ」 激しく打ち付けながら俺の名を呼び、圭吾が駆け上がってきた。 「ぅ……ぁ、っ……くっ、……」 小さく叫び、深いところに突き刺したまま、その動きが止まった。 とくん、とくん、と圭吾の鼓動が伝わってくる。 は、ぁ、と溜息を吐き、ゆるゆると揺らしながら、大きな体が降りてきた。 足を持っていた手を離し、次は俺の腕を引っ張ってくる。手の甲に唇を押し付け、それからおでこの生え際にキスをしてきた。 「な? 早かっただろ?」 「それは自慢になるのか?」 俺の言葉に圭吾は眉を下げて笑った。 |
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