INDEX
LOVE LOVE LOVE
4


「じゃあ、お邪魔しましたぁ!」
「ああ。気をつけて」
 夜中遅くまで三人で正月番組を観て、そのあとも竹内の馬鹿話に付き合わされて、午前遅くに三人で起きて、朝昼兼用のようなご飯を三人で食べ、竹内が帰っていった。
「また来るよ。明日とかっ!」
 ドアが閉まる瞬間までうるさく元気のいい竹内を玄関先で見送って、急に静かになったことに笑ったら、うさちゃんも笑いながらこっちを見上げてきた。
「台風のようだったね」
「確かに」
 玄関先に立ったまま、ようやく念願の挨拶をしようと、うさちゃんの腕を引き寄せた。
「……ん」
 身体を折って、屈むようにしながらうさちゃんの腕ごと引き上げて、新年初のキスをする。
 チュ、と軽く合わせてから顔を見合わせてまた笑い、掴んでいた腕をうさちゃんの背中に回し、今度は身体ごと引き寄せた。俺の腕の中にすっぽりと入っているうさちゃんの身体が浮き上がる。
 顔を傾けると、うさちゃんのほうも反対側に倒してくる。開いたまま迎えてくる唇に俺も合わせ、舌を絡め合った。
 俺の胸に収まっていたうさちゃんの腕が上がり、首に掴まってくる。引き寄せられて深く迎えられる。合わさりながらときどき息継ぎをして、軽く吸っては離れ、また合わせた。
 玄関に立ったまま、長い時間キスを繰り返した。
「うさちゃん」
「ん……ん」
「……しよ?」
 はあ、と息を吐いている唇から離れ、顔を覗きながらお伺いを立てる。
「まだ午前中ですけど」
 俺の誘いにうさちゃんがそう答えてきた。俺の首に腕を巻き付けたままで。
 年末年始はお互いの実家に帰り、その前には俺が合宿だった。先輩命令でクリスマスにも練習が入り、うさちゃん自身も大学の研究室で手伝いをしていて、一緒に住んでいるのに、結構すれ違いが続いていた。
 正月休みに入り、親孝行の真似事をしてきて、やっと帰ってきたのに、今度は竹内がやってきて、ずっとお預け状態だったのだ。
 昨夜も遅くまで竹内は寝やしないし、寝たところでうさちゃんは俺が絶対にちょっかいを出せないように、俺を竹内と一緒に寝せた。自分は自室に入り、ぴったりとドアを閉められてしまったのだ。
 もう一度唇を合わせて上唇を軽く噛む。
「うさちゃん、したい」
「……ん、ぅ……」
「しない?」
「……する」
 もらえた返事に笑みが零れた。
「どっちでする? 俺の部屋?」
「うん」
 身体を離し、手は繋いだまま、二人で俺の部屋に向かった。


novellist